
LifeTouch W
最近弊社でNEC様のLifeTouch W及びその開発キットを購入したので、いろいろと試してみているところです。
この端末の大きな特徴は、やはり2つの画面を備えるクラムシェル型の筐体です。さらにこの端末においてはフレームワークが大きく拡張されており、Activityをそれぞれの画面で同時に起動することが出来るようになっています。
今回は、開発環境の設定から2画面表示の簡単な確認辺りまでを試してみました。
2画面プラットフォームでの表示の基本概念
この端末には2つの物理的なディスプレイが備えられており、主となる側をPrimary(見開きで左側)、もう一方をSecondaryと呼びます。
これらの2つの画面をActivityがどのように占有するかによって、3種類の表示先指定があります。
- Primary : ActivityがPrimary側の画面を占有する。
- Secondary : ActivityがSecondary側の画面を占有する。
- Dual : ActivityがPrimaryとSecondary両側の2画面を占有する。
ただし制限として、同一タスクの1画面表示ActivityをPrimaryとSecondaryの両側に振り分ける事は出来ません。ので、それぞれの画面にActivityを振り分けての表示をしたい時には、別タスクとなるように起動する必要があります。
開発環境の設定
一般的なAndroid開発環境がインストール済みの場合、Android2.2用SDKをSDKマネージャでダウンロードし、Android SDKのadd-onディレクトリ(winXP+現在最新のAndroid SDKならC:\Program Files\Android\android-sdk\add-ons 辺り)に開発キットのLT-Wアドオンディレクトリをコピーして配置すると、開発が行えるようになります。
開発キットにはUSBドライバも含まれており、これを用いることでLifeTouch WをPCにUSB接続し、デバッグを行う事が出来ます。
実際に2画面表示アプリを作ってみる
Eclipseでのプロジェクトの作成手順は通常のAndroidの場合と同じで、Target Nameとして「LT-W」を選択してください。他は何でもかまいません。
Activityを2画面(Dual)表示する為に、以下の項目をmanifestファイルにて設定する必要があります。ここでは具体的な設定方法や詳しいタグ名については触れません(開発キットに付属のPDFに詳しく記述されています)。
- runsOnSecondaryDisplay : manifestタグ内にbooleanで設定。これがtrue以外の場合、Secondary及びDual表示を行う事が出来ない(=通常の Androidアプリにおいては未設定なのでPrimaryのみ表示可能)。
- displayMode : Activityタグ内にstringで設定。single(PrimaryかSecondaryのいずれか) / dual(Dualのみ) / any(どれも可)が設定として有効で、Activityがどの表示先設定で表示される事を許容するかという設定である。
今回は2画面表示Activityを作るので、runsOnSecondaryDisplayはtrue、displayModeはDualに設定します。
また上記以外に、applicationタグ内にuser-libraryタグでcom.nec.android.dualscreenライブラリを指定する必要があります。
上記のマニフェスト設定が完了したものを実行すると、上に掲載した写真のような表示となります。